サーモグラフィ検査

 人間の体温は一定に保たれていますが、体表面の温度は外気温度、着衣の有無、組織の血流などの影響を受けて、時間的あるいは空間的にすこしずつ変化します。サーモグラフィは体表面の部位ごとの温度を感知して画像として表示します。
 自律神経障害や末梢循環障害、動脈の閉塞や狭窄(きょうさく)などがあると、体表面の温度がほかの部位よりも低下するので、サーモグラフィでとらえることができます。また血管拡張薬を投与した場合などは、体表面の温度の上昇をみることで、どの程度血流が改善したか客観的に評価することが可能です。

(執筆・監修:自治医科大学 教授〔臨床検査医学〕 紺野 啓)