筋電図・末梢神経伝導速度検査 家庭の医学

 筋肉が収縮する際、筋細胞の膜電位が変化します。筋電図は細い針状の電極を筋肉に刺し、この電気信号を測定して記録するもので、少し痛みを伴います。安静時ばかりでなく筋肉を収縮させたり、弛緩(しかん:ゆるんだ状態)させたりして、活動電位を計測します。筋力低下や筋萎縮(きんいしゅく:筋肉がやせ細った状態)がある場合、原因が筋肉を制御する末梢の運動神経の異常なのか、筋肉そのものの異常なのかが区別できます。
 末梢神経伝導速度は、前腕や下肢の神経を刺激して、その刺激が神経を伝わる速さを計測する検査です。糖尿病性神経障害筋萎縮性側索硬化症手根管症候群ギラン・バレー症候群などの末梢神経障害の診断と進行程度を客観的に評価することが可能です。

(執筆・監修:自治医科大学 教授〔臨床検査医学〕 紺野 啓)