聴力・平衡機能検査

 聴力はオージオメーターを使って検査します。気導聴力検査ではヘッドホンを使用します。低音域から高音域のうち一定の周波数の音を選んで、聞き取れないような小さな音からしだいに音量を上げていき、聞き取れるもっとも小さな音の大きさを調べます。空気の振動である音の通り道とその振動を音として感じる機能全体が評価できます。骨導聴力検査では耳の後ろから骨伝導振動子で骨に音を伝え、同じように聞き取れるもっとも小さな音の大きさを調べて、振動を音として感じる機能を評価します。
 両方あわせておこなうことで、中耳炎など音の通り道の障害で起こる難聴(伝音性難聴)と、聴神経腫瘍など音を感じて脳に伝える器官の障害で起こる難聴(感音性難聴)が区別できます。
 めまいがあるときには平衡機能の検査をおこないます。フレンツェル眼鏡や眼振計を用い、頭位を変換させたり、温度刺激などで眼振を誘発させたりといったさまざまな条件で検査をおこなうことで、病変部位を絞り込むことができます。

(執筆・監修:自治医科大学 教授〔臨床検査医学〕 紺野 啓)