呼吸機能の老化〔こきゅうきのうのろうか〕

 1秒間に吐き出す息の量(1秒量)は加齢とともに低下し、坂道での息切れの原因になります。喫煙者ではこの老化が促進され、慢性閉塞性肺疾患(COPD:chronic obstructive pulmonary disease)になると日常生活上の動作で息切れが起こることになります。この疾患には老化細胞が関与していることが最近あきらかになり、新しい治療方法の開発が待たれます。
 気道から、異物や細菌をたんとして排除する力も減少し、誤嚥(ごえん)性肺炎がふえていきます。これらの反射にはサブスタンスPという神経伝達物質が重要です。唐辛子に含まれるカプサイシンはサブスタンスPの分泌を活発にするはたらきがありますので、唐辛子を使った料理や体操などでサブスタンスPをふやすことができます。

(執筆・監修:地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター 理事長/国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター 理事長特任補佐 鳥羽 研二)
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