その他の縦隔腫瘍〔そのたのじゅうかくしゅよう〕

 縦隔腫瘍は縦隔にもともと存在する臓器から発生するわけなので、多種類の腫瘍がみられます。胸腺(きょうせん)原発だけでも、胸腺腫・奇形腫のほかに(悪性)胚細胞腫瘍・悪性リンパ腫・胸腺がん・胸腺嚢胞(のうほう)など、いろいろな腫瘍があります。
 また、気管・気管支、心膜や食道周囲には良性の嚢胞(ふくろ状の腫瘍で、内部に液体がたまったもの)が発生することがあり、それぞれ気管支嚢胞、心膜嚢胞、食道嚢胞といいます。
 良性腫瘍の場合には、多くは無症状であり、胸部X線写真で異常な陰影として気づかれます。しかし、悪性腫瘍の場合には腫瘍が急速に増大するため、胸部の痛みや圧迫感、上大静脈症候群(縦隔の腫瘍の項参照)などの症状があらわれ、短い期間に悪化していきます。悪性の場合はもちろんのこと、良性であっても多くの場合に治療が必要となるので、呼吸器外科の専門医に相談することをすすめます。

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