カテーテルアブレーション

 正式名称は経皮的カテーテル心筋焼灼(しょうしゃく)術といいます。専用のカテーテルとからだの背部に貼った対極板の間で、高周波を流すことにより、カテーテル先端の温度が40~60℃になり、半径数ミリメートル範囲で心筋が凝固し、不整脈の原因をつぶす治療法です。現在、ほとんどの脈拍が速くなるタイプの不整脈に対してこの治療が可能となっています。ただし、不整脈の病巣が心筋深層にあったり、心臓に血液を供給する大切な血管に近い場合は完全につぶすことができない場合もあります。
 また、もっともよく見かける心房細動の治療としては高周波通電のほかにクライオ(冷凍凝固)バルーンやホットバルーンといって、カテーテル先端についたバルーン(風船)を冷やしたり、温めたりして治療する方法やバルーンからレーザーを用いて治療する方法も普及しています。それぞれの治療法に長所と短所があり、患者さんの状態に応じて最適な方法を選ぶことになります。
 カテーテルアブレーションは不整脈の原因をつぶし根治できる可能性が高い治療ですが、無症候性の良性の不整脈ではそのまま不整脈とうまく付き合っていく方法を推奨することもあり、治療方針については専門医と相談するとよいでしょう。

(執筆・監修:公益財団法人 榊原記念財団附属 榊原記念病院 副院長 新田 順一)

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