洞機能不全症候群〔どうきのうふぜんしょうこうぐん〕 家庭の医学

 脈が1分間に50以下になる場合を洞徐脈といいますが、症状がなければ問題ありません。心房細動がとまったときなどに、脈が2秒以上出ない場合があります。これを洞停止といい、このような脈の出かたに問題がある場合を洞機能不全症候群といいます。

 洞機能不全症候群で、徐脈によりめまい・失神や息切れなどの症状が強く、生活にさしつかえるときは心臓(人工)ペースメーカーを植え込み、心臓の脈をととのえます。ペースメーカーは、本体を左胸の皮膚の下に植え込み、そこからリードと呼ばれる電線を心房と心室に入れ、その先端の電極で刺激を出して脈拍を保ちます。
 胸を開かないで、静脈から電極を入れるだけの小さな簡単な手術で植え込めますので、90歳以上の高齢の人にも安全におこなわれ、術後は生活がずっと快適になります。心臓ペースメーカーは小型電池で作動しますが、技術の改良によって通常では約8~10年の間、交換手術を必要としなくなっています。

(執筆・監修:公益財団法人 榊原記念財団附属 榊原記念病院 常勤顧問 梅村 純)
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