ポイツ・ジェガース症候群〔ぽいつ・じぇがーすしょうこうぐん〕

 発生頻度は12万分の1で、常染色体性優性の遺伝形式をとります。原因となる遺伝子は19番染色体短腕にあるSTK11/LKB1遺伝子で、この遺伝子に変異が起こると発症します。食道を除く消化管に多数のポリープができる疾患で、ポリープの分布は小腸に多く、大腸には少ない傾向があります。
 消化管ポリープ以外に、口唇、口腔(こうくう)粘膜、手掌(しゅしょう)、足底に特有の黒色の色素斑がみられ、これらをきっかけに消化管を検査してポリープがみつかることもあります。また、小腸ポリープが先進部となって腸重積症となり、腹満や腹痛が生じて診断されることもあります。
 色素斑が悪性化することはありませんが、ポリープは、長期的にみるとがん化の危険性が高く、特に大腸がんの発生が多くみられます。

[治療]
 上部および下部消化管については、内視鏡的にポリープを摘除します。腸重積症、がんが発生した場合は外科的治療が必要となります。

(執筆・監修:医療法人社団哺育会 桜ヶ丘中央病院 外科部長 榎本 雅之)
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