牛乳不耐症〔ぎゅうにゅうふたいしょう〕 家庭の医学

[原因][症状]
 牛乳不耐症は乳糖不耐症ともいい、健康な人が牛乳や乳製品を摂取したときに下痢、腹痛、腹部膨満(ぼうまん)感などが起こる疾患です。牛乳や乳製品に含まれる乳糖を分解するために必要な乳糖分解酵素の活性が低いため、うまく消化・吸収できないことが原因です。
 乳糖分解酵素の活性は、白人では高く、われわれ日本人を含む黄色人種、黒色人種では元来あまり高くありません。分解酵素の活性は年齢とともに低下するので、子どものころは症状がなくても成人になってから症状が出現することもあります。

[治療]
 牛乳や乳製品の摂取をなるべく控えてください。乳糖を分解した加工牛乳なら摂取しても症状が出ません。治療薬としてはラクターゼ製剤があります。

(執筆・監修:医療法人社団哺育会 桜ヶ丘中央病院 外科部長 榎本 雅之)
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