好酸球性多発血管炎性肉芽腫症〔こうさんきゅうせいたはつけっかんえんせいにくげしゅしょう〕

 この病気はかつてチャーグ・ストラウス症候群と呼ばれていました。アレルギー性肉芽腫(にくげしゅ)性血管炎とも呼ばれ、気管支ぜんそくなどのアレルギー体質をもっている人に発症する血管炎症候群です。30~40代の人に多い病気ですが、男女比では、やや女性に多くみられます。
 おもにおかされる臓器は肺です。気管支ぜんそくの発作がみられますが、肺のX線検査で肺浸潤(しんじゅん)の影がみとめられます。
 また、手・足のしびれや運動の障害(多発性単神経炎)がよくみられ、治りにくい病気です。このほか、腎病変は軽く少ないのですが、胸膜炎心筋炎、腸炎などをみることがあります。
 血液の検査では、赤沈亢進(こうしん)、CRP(C-reactive protein)強陽性、白血球増加などに加えて、アレルギーと関係した好酸球の著明な増加とIgEの増加をみとめます。抗好中球細胞質抗体(anti-neutrophil cytoplasmic antibody:ANCA)も約半数の患者さんが陽性を示します。グルココルチコイドの単独、もしくはシクロホスファミドとの併用により短期間で改善しますが、再発しますので注意が必要です。
 多発性単神経炎は難治性で、近年、免疫グロブリン製剤の有効性が示されています。また、理学療法もあわせておこないます。

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