嚢胞 家庭の医学

解説
 ふくろの中に流動体や半流動体が貯留している状態を嚢胞といいます。口の軟組織にできる嚢胞には、鼻歯槽(びしそう)嚢胞、歯肉(しにく)嚢胞、貯留嚢胞、類皮嚢胞、類表皮嚢胞、甲状舌管(こうじょうぜつかん)嚢胞などがあります。もっとも多く発生するものは唾液による貯留嚢胞で、粘液嚢胞ガマ腫などに分けられます。

[症状]
 半球状、やわらかなはれとしてみられ、痛みはほとんどありません。感染が起こると赤みをおび、増大し痛みを伴います。

[治療]
 嚢胞のみの摘出がおこなわれますが、大きい場合には嚢胞の一部を切除し、嚢胞の中を開放する開窓術をおこなうこともあります。

(執筆・監修:東京大学 名誉教授/JR東京総合病院 名誉院長 髙戸 毅)