国が定める被爆援護対象区域の外で長崎原爆に遭った「被爆体験者」の一部を被爆者と認めた長崎地裁判決を巡り、長崎県と長崎市は24日、国の方針に従い控訴した。これを受け、原告側も敗訴した29人のうち28人が控訴した。
 大石賢吾知事と鈴木史朗市長は同日、県庁で原告らと面会し、控訴したことを陳謝した。原告側は控訴を批判し、取り下げを求めた。
 大石知事と鈴木市長は控訴を断念したい意向を表明していたが、21日に首相公邸で岸田文雄首相と武見敬三厚生労働相と面会。控訴の方針を伝えられ、受け入れていた。
 原告らとの面会で大石知事は「心から申し訳なく思っている」と陳謝。鈴木市長も「申し訳ない気持ちでいっぱいだ」と話した。原告団長の岩永千代子さん(88)は「控訴を取り下げると信じている」と訴えた。 (C)時事通信社