治療・予防

治りにくい鼻詰まり―好酸球性副鼻腔炎
嗅覚障害で日常生活に支障も

 鼻汁や鼻詰まりが起きて、生活の質(QOL)を低下させる慢性副鼻腔(びくう)炎。このうち難治性のタイプが「好酸球性副鼻腔炎」で、国内に推定約2万人の患者がいる。国の難病に指定されており、継続して治療する必要がある。東邦大学医療センター大橋病院(東京都目黒区)耳鼻咽喉科の吉川衛教授に聞いた。

 ▽副鼻腔粘膜に好酸球が増加

 鼻腔は鼻の奥から喉に続く空気の通り道で、副鼻腔は鼻腔の周囲にある空洞である。頬の内側、目と目の間、そのさらに奥、眉間の辺りと左右に4対存在する。ここに炎症が起こり、うみがたまったり、鼻粘膜がきのこ状に膨らむ鼻ポリープ(鼻茸=はなたけ)ができたりするのが副鼻腔炎だ。炎症が3カ月以上続くと、慢性副鼻腔炎と診断される。

 慢性副鼻腔炎は、ウイルスや細菌の感染が原因となる従来の慢性副鼻腔炎と、発症原因が明らかでない「好酸球性副鼻腔炎」に大別される。後者は、白血球の一種である好酸球が副鼻腔粘膜で増加し、その働きが過剰になることで発症すると考えられている。のりのような粘り気のある鼻水が出るのが特徴だ。また、目と目の間の篩骨洞(しこつどう)に炎症が生じやすいため、目の奥の痛みや頭痛が起きるほか、においが分からなくなる嗅覚障害が見られ、日常生活に支障を来す。ぜんそくや鎮痛薬アレルギーを合併する人も多いという。

 ▽治療を継続して再発を予防

 この病気の診断には、問診、血液検査、コンピューター断層撮影装置(CT)や磁気共鳴画像装置(MRI)による画像検査が行われる。そして、内視鏡検査で鼻粘膜の組織を切除し、好酸球の数を調べた上で確定診断がなされる。

 治療法は、内視鏡手術で粘り気のある分泌物や鼻ポリープなどをすべて取り除いた後、好酸球の働きを抑制するロイコトリエン受容体拮抗薬(経口薬)やステロイド点鼻薬を使用する。ただし、好酸球性副鼻腔炎は再発しやすいため、毎日の鼻洗浄とステロイド点鼻薬による治療を継続して予防することが重要だ。「よく誤解されますが、ステロイド点鼻薬は経口薬とは異なり、継続して使用しても副作用はほとんどありません。また、副鼻腔の洗浄には市販の鼻洗浄器の使用を勧めます」と吉川教授。

 鼻汁や鼻詰まりは直接命に関わらないため、放置している人も少なくない。吉川教授は「鼻の不調が長引くようなら、放置していても改善する見込みはないので、耳鼻咽喉科を受診して相談してください」と呼び掛ける。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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