治療・予防

「糖化」は老化を早める?!
糖尿病や動脈硬化、認知症にも関連

 老化を促進する原因として注目されている「糖化」。体内のタンパク質が余分なブドウ糖と結合して細胞を変性させる現象で、老化を早めたり、病気の原因になったりする。糖化のメカニズムや予防法について、慶応大学医学部化学教室(横浜市)の井上浩義教授に聞いた。

 ▽シワやたるみ、くすみの原因に

 人間の体は、筋肉や内臓、血管、神経など全身がタンパク質からできている。血液中に過剰なブドウ糖があると、これらのタンパク質に結び付き、「終末糖化産物(AGEs)」が作られる。この物質が体内に蓄積すると、さまざまな悪影響を及ぼすことが分かってきた。

 最も影響を受けやすいのは、皮膚を作るコラーゲン線維だ。「コラーゲン線維にAGEsが結合すると、皮膚の張りや弾力が失われ、たるみやシワの原因になります。また、タンパク質は糖化の過程で褐色に変化するため、AGEsが増えると皮膚がくすみます」と井上教授。骨にもコラーゲン線維が含まれていて、AGEsの増加で骨の老化が早まり、骨粗しょう症のリスクが高まるという。

 ▽糖化を抑制する食事の摂取を

 AGEsの蓄積の度合いを知る指標となるのは、糖尿病を診断する際に用いられるヘモグロビンA1c(HbA1c)である。ヘモグロビンは血液中の赤血球の中に存在するタンパク質で、この値が高いほど全身の糖化が進んでいる。そして、たまったAGEsが神経細胞や血管、臓器に影響を与えることで、糖尿病の合併症である神経障害や網膜症、腎症が起こりやすくなる。動脈硬化のリスクを高め、アルツハイマー病などにも関連しているとされる。

 糖化はどうすれば防ぐことができるのか。AGEsは食品からも取り込まれる。「食品中のAGEsの7~8%が消化吸収されて体内に残り、全身に影響します。肉や魚などタンパク質の多い食材を高温で加熱するとAGEsが多く発生します。加工肉や焼き菓子、しょうゆ、ソース、みそ、コーラなどにも多く含まれるので、取り過ぎないことが大切です」と井上教授。

 また、AGEsは尿から排出されるため、腎機能を正常に維持することや、AGEs生成を促進する酸化ストレスを増やさないように十分な休息を取ることも心掛けたい。ストレス解消には運動も役立つが、井上教授は「過激な運動は逆に酸化ストレスを増やすので、ウオーキングなどの軽い運動をしましょう」とアドバイスする。(メディカルトリビューン=時事)

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