研修医こーたの出来たてクリニック

「新型コロナ」かも、と思ったら 
受診前に絶対守ってほしいこと

 新型コロナウイルスが国の内外で注目を集めるようになってから3カ月がたちました。新聞、テレビ、インターネットなどで連日、さまざまなニュースや情報が伝えられてはいますが、中には混乱や戸惑い、不安を与える内容も含まれてます。私の外来にも「●●で〇〇と言っていたので、自分も新型コロナなのではないかと不安になった」と訴えて来院される患者さんが、数多くいらっしゃいます。

コロナかな、と思ったら行く前にまず病院に連絡しましょう

 ◇来院前に電話を

 不安な気持ちになってしまうのは当然です。異変に気付いた際にはためらわず来院していただければよい、と考えていますが、どうしてもお願いしたいことが一つだけあります。

 それは、来院する前に一度電話をかけてきてほしいということです。新型コロナウイルス感染症疑いがある患者さんが来院された場合、急性期病院では、どのようなフローで診療が進んでいくのかを知っていただければ、その理由を理解いただけると思います。

 その一例を見てみましょう。

 ◇急性期病院の診療フロー

〔1〕他の患者さんとの接触を避けるため、特別なルートから病院へ入り、陰圧室で待機となります。この部屋は外気よりも気圧が低く設定されているので、部屋の中の病原体を外に出さないようにする事ができ、他の患者さんや医療スタッフへの二次感染防止に役立ちます。
〔2〕次に医師や看護師がガウンやゴーグルそして特殊なマスクで感染防御を行い、陰圧室で診察を行います。
〔3〕問診と身体診察から必要な検査を決定し、検査担当のスタッフへ連絡をします。CTなど部屋の移動を伴う検査が必要な場合は、検査が終わるまで、移動ルート上にいる医療者や患者さんを一度退避させます。
〔4〕検査後には十分な換気をし、患者さんが触れたものは全て消毒を行います。
〔5〕検査結果からPCR検査が必要と医師が判断すれば、保健所に検査を要請します。

 ◇防げるはずの感染

 陰圧室を持つ医療機関は650施設程度と少なく、中小規模病院やクリニックなどでの陰圧対応は不可能です。そのため各医療機関は、発熱者専用の臨時待合室や診療時間を作るなど、可能な範囲で厳格な感染対策をとっています。

 これは医療機関自体が、新型コロナウイルス感染症の震源地とならないためです。

 医療機関には、癌や糖尿病などを患った免疫不全の患者さんが、たくさんいらっしゃいます。新型コロナウイルス感染症の患者さんが連絡なしに来院すると、これらの重篤化しやすい患者さんと同じ空間に立ち入ることになります。

 防げるはずだった感染が起こり、感染者および死亡者を増やしかねないのです。

 感染症の制圧には、国民一人一人による他人への配慮が必要です。発熱などの症状はつらいですが、来院前には必ず電話で一報入れることをどうか覚えておいてください。あなたのその数分の行動で救われる命があるかもしれないのです。(研修医・渡邉昂汰)

研修医こーたの出来たてクリニック

横浜市立大学医学部医学科同窓会 倶進会