研修医こーたの出来たてクリニック

医師に必要なコミュ力とは
2年間の研修で学んだこと 研修医・渡邉昂汰

 医師として働き始めて2年がたち、いよいよ研修医期間が終わります。

 この間、日常診療を通して、いろいろなことを学ばせていただきました。この場を借りて、平素から医師教育にご理解、ご協力をいただいている患者さん、そのご家族に、心より感謝申し上げます。

新型コロナウイルスの2回目のワクチン接種を受ける医療従事者(写真は本文とは直接関係ありません)=2021年3月11日、東京都目黒区の国立病院機構東京医療センター【時事通信社】


 ◆学んだ「コミュ力」

 「2年間で何を学びましたか」

 先日、このように問われる機会がありました。月並みではありますが、私は「良好な医師-患者関係を築くコミュニケーション能力です」と答えました。

 では、医師に求められるコミュ力とは一体、何なのでしょう。2年前、医学生だった私は、患者さんとスムーズに話せる雰囲気をつくる能力だと考えていました。

 これもまた、一つの正解ですが、加えて、患者さんに伝える情報を、適切に取捨選択する能力が求められている、と今は感じています。

 「何も説明してくれない」「説明が長くてよく分からない」―。これは、どちらもコミュニケーションエラーであり、医療者-患者間の溝は、治療がうまくいかなくなるきっかけになり得ます。

 ◆適切な病状説明を可能にする技術

 どのように説明すれば、内容を適切に受け取っていただけるのでしょうか。私は尊敬する上級医から、患者さんやご家族がその場で理解できる事柄は最大三つと考えなさい、と教えられました。

 病院という非日常の中で、初めて説明を受ける人の多くは、緊張して気が動転していると意識すべきです。まずは簡潔に要点のみを伝え、日を改めて徐々に詳しくお話しすることで、最終的な深い理解につながります。

 また、お土産をつくりなさい、とも教わりました。診察中に紙に書きながら説明して、その紙を「お土産」として家に持ち帰っていただくのです。

 情報を可視化することで、伝え忘れを防ぎ、患者さんは自宅で落ち着いて見直すことができる。双方にメリットがある、一石二鳥な手法です。

 ◆信頼される医師を目指して

 このような病状説明を日頃から実践している上級医は、患者さんやご家族から信頼できる良い先生だと評判で、私の目指す医師像の一つとなっています。

 4月から私は、内科専攻医として自分の担当外来を持つため、病状説明をする機会がぐっと増えます。話しやすい雰囲気づくりと、分かりやすいアウトプットを心掛け、安心して治療を受けていただけるよう、精進していこうと考えています。

(了)

 渡邉 昂汰(わたなべ・こーた) 初期研修医および名古屋市立大学公衆衛生教室研究員。「健康な人がより健康に」をモットーにさまざまな活動をしているが、当の本人は雨の日の頭痛に悩まされている。将来は地域医療に従事する予定。




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