治療・予防

増えるピーナツアレルギー
摂取できる量知って予防(相模原病院臨床研究センター病態総合研究部病因・病態研究室 佐藤さくら室長)

 欧米に多いとされるピーナツアレルギーだが、近年日本でも増えている。症状が重篤化しやすいことで知られ、急に激しい症状に襲われるアナフィラキシーによって命を落とす例もある。治療法や日常生活の注意点について、相模原病院(相模原市)臨床研究センター病態総合研究部病因・病態研究室の佐藤さくら室長に聞いた。

アナフィラキシーを起こしやすい食べ物

 ▽重篤化しやすい

 ピーナツ(落花生)は、そばや小麦と並び、症状が重篤化しやすいアレルゲンの一つで、加工食品中において原材料表示が義務付けられている。近年は食の欧米化が進んだ日本でも子どもを中心に患者が増加傾向にある。

 佐藤室長によると、症状はかゆみや発疹などの皮膚症状、せきやぜーぜーするなどの呼吸器症状、腹痛、吐き気などの消化器症状など他の食物アレルギーと大きな違いはない。幼少期に発症して成長とともに次第に治まる人もいるが、成人しても症状が続く人もいる。

 全身にアレルギー症状が出て、呼吸困難、激しい嘔吐(おうと)や腹痛、意識障害を起こす「アナフィラキシー」になることもある。アナフィラキシーを起こす食べ物はさまざまあるが、ピーナツは卵、牛乳・乳製品、小麦、そばに次いで多い。

 そうしたケースでは、緊急時に使用する薬剤として、アドレナリンの自己注射薬「エピペン」があり、あらかじめ医師に処方してもらい学校などに持参する生徒が増えている。「病院へ着くまでの補助治療薬として使用することで危険な状態を回避できます」と佐藤室長は話す。

 ▽原材料表示の確認を

 アレルギー症状を予防するには原因物質を避けることだが、カレーのルー、スナック菓子など一部の加工食品にはピーナツが含まれているものもある。

 「購入の際は原材料表示をよく確認しましょう。海外の土産品や店頭で販売している総菜など原材料を確認できないものには十分注意してください」と呼び掛ける。

 一方で、「怖がって何もかも制限する必要はありません」とも話す。「ナッツ類全般を避ける人もいますが、ピーナツはあくまで豆類です。ナッツは木の実で、アーモンドやカシューナッツは問題なく食べられる人がほとんどです」(佐藤室長)。

 表れる症状は個人差が大きく、大量に食べても皮膚症状がわずかに出現する人もいれば、微量でも重くなる人もいる。「原因となるアレルゲンがどの程度までなら摂取できるかを調べる『食物経口負荷試験』で検査すれば、摂取可能量を知ることができ、食生活におけるQOL向上につながります」とアドバイスする。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)


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