ロコモ判定と予防運動
健康で長生きするために(下)
◇四つのロコトレ
東京都臨床整形外科医会はパンフレットを作成し、ロコモを予防するために四つの運動を勧めている。
まず、バランスの練習である「片足立ち」。机に手を突いて片足を床に突かない程度に上げる。左右1分間ずつ1日3回行う。
「スクワット」は下肢の筋肉を付ける運動だ。肩幅より少し広めに足を広げて立ち、爪先を30度ほど開く。膝が爪先より前に出ないように注意しながら体を沈める。5~6回が1セットで、1日3回。スクワットができないときは、椅子に腰掛け机に手を突いて、立ち座りの動作を繰り返す。
ふくらはぎの力を付けるのが「カーフレイズ」。両足で立った状態からかかとを上げ、ゆっくり下ろす。1セット10~20回で、1日に2~3セットが目安だ。立ったり歩いたりすることが不安定な人は、椅子の背もたれなどに手を突いて行う。
「フロントランジ」は下肢の柔軟性向上などにつながる。腰に両手を当て、立った状態から片足を大きく前に踏み出す。太ももが水平になるくらいに腰を下げた後、体を上げて踏み出した足を元に戻す。1セット5~10回で、目安は1日2~3セット。
目黒ゆうあいクリニック院長の宮島久幸氏は「ロコトレを続けると、段々楽にできるようになり、運動効率が下がる。回数を増やしたり、違う運動を加えたりしてレベルを上げる必要がある。この四つは入り口だ」と指摘する。記者は通勤電車に座らず、かかとを上げるくらいが精いっぱいで先は長い。
宮島氏は「最初はそれでもよい。理想は日常生活の中に運動が組み込まれ、習慣化することだ」と励ましてくれた。(編集委員・鈴木豊)
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(2017/02/17 14:50)