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メタボに並ぶロコモの脅威=健康で長生きするために(上)

 太り過ぎは健康に良くないとするメタボリックシンドローム(メタボ)という言葉は、ほとんどの人が知っている。ただ、健康で長生きをするためには、もう一つのシンドロームに気を付けなければならない。日本整形外科学会が2007年に提唱したロコモティブシンドローム(ロコモ)だ。同学会と関係する医師たちは、ロコモの周知度アップと対策の指導に力を入れている。

 ◇要介護の一歩手前

 「運動器の障害によって運動機能が低下し、要介護のリスクが高まる。動けない、歩けないという一歩手前の状態だ」。目黒ゆうあいクリニック院長で日本整形外科学会専門医の宮島久幸氏は、ロコモをこう定義する。

 介護が必要となった主な原因を見ると、転倒・骨折が10・2%、関節疾患10・9%、脊髄疾患は1・8%で、三つの合計は22・9%と脳血管疾患(脳卒中)の21・5%を上回る。宮島氏は「これらは2010年の数字だ。今はこの三つで25%くらいになるだろう。脳卒中より整形外科疾患の方が要介護状態になることが多い」と強調する。

 ◇健康寿命こそ大切

 寿命には「平均寿命」と「健康寿命」がある。厚生労働省によると、2015年の日本人の平均寿命は男性が80・79歳、女性が87・05歳でともに過去最高を更新した。女性が香港に抜かれ第2位とはいえ、長寿であることは変わらない。一方、健康寿命は医療や介護に頼らず日常生活を送れる期間のことだ。

 問題は二つの寿命の差で、「不健康な期間」を意味する。厚労省が関係した研究によると、2010年における平均寿命と健康寿命の差は男性9・13年、女性12・68年だった。

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