治療・予防

患者と面談して服薬指導
広がる「薬剤師外来」(日本医科大学付属病院薬剤部 岸田悦子係長)

 薬局の窓口とは別に、薬剤師が患者と面談する場を設けて服薬状況や体調の変化を聞き取る動きが大学病院などで広がっている。「薬剤師外来」とも呼ばれ、副作用の可能性や手術前に休薬すべき薬はないかなどの確認を通して、より安全な医療につながると期待される。実際に薬剤師外来を担当している日本医科大学付属病院(東京都文京区)薬剤部の岸田悦子係長に話を聞いた。

がん患者の受診当日の流れ(例)

 ▽常用薬を入院前に確認

 心臓病や脳梗塞の治療で血液を固まりにくくする薬(抗血栓薬)を飲んでいる人は、副作用で血が止まりにくい恐れがあり、出血を伴う処置や手術を受ける前に休薬が必要になる場合がある。ところが、患者に指示がうまく伝わらなかったり、服用している薬が多かったりすると、休薬するはずの薬を続けていることがある。このため手術を延期せざるを得なかったケースが同院であったという。

 そこで、薬剤師が入院前に患者と面談し、他の医療機関で処方された薬を含めて、服用中の薬や健康食品・サプリメントなどを改めて聞き取るようにした。手術前に休薬が必要な薬があれば、患者に文書で知らせることにしている。

 入院前の面談は、緊急入院や一部の診療科を除くほとんどの患者が対象となる。岸田係長は「複数の医療機関から薬が処方されている場合があり、薬剤師が全体を把握し、医師と連携することで、安全な入院治療や手術に役立てている」と話す。

 ▽がん患者への専門外来設置

 同院では、通院で抗がん剤の点滴や内服治療を受けるがん患者を対象とした薬剤師外来も設置している。診察した医師の依頼に基づき、使用する薬の飲み方や副作用などを詳しく説明する。それによって患者は、薬の基本的な情報や、起こり得る副作用とその対処法も含めて理解できる。

 服薬開始後の通院時には、医師の診察の前に薬剤師が面談。薬の服用を始めてからの体調の変化、飲み残しの有無などを聞き取り、電子カルテに記入する。カルテを介して、薬剤の変更の必要性や副作用対策などを医師が判断するのに必要な情報が診察前に届くため、より適切な治療につながると期待される。

 薬剤師との面談を有効に利用するため、岸田係長は「医療機関に行く際、『薬のカルテ』であるお薬手帳を持参してほしい。薬を使用後の症状やその時期、使用しているサプリメントをメモしておくのもよい」とアドバイスする。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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