治療・予防

悩ましい中高年の便秘=女性だけでなく男性も

 ◇薬と生活習慣で改善

 慢性化した便秘の治療は、下剤のほかにもさまざまな薬の組み合わせによる薬物療法で適切な排便を促すと同時に、「生活習慣を見直すことが重要」と矢野院長は言う。

 食事は、3食をなるべく決まった時間にしっかりと食べる。野菜、海藻、穀物、イモなど繊維質が豊富なもの、納豆やヨーグルトなどの発酵食品は腸内環境を整え、便秘の改善を促すという。また、ウオーキングなどの適度な運動は筋力を維持し、腸の動きを活発にする。排便を我慢しないことも大切だ。

 毎日便通が無くても、定期的に良好な排便があれば、それがその人のサイクルなので問題はない。だが、「下剤がないと排便できない、下剤の使用が長期に及び、次第に効かなくなってきたといった場合は、下剤が癖になる悪循環に陥っている状態なので適切な治療が必要です」と、矢野院長は指摘する。

 便秘がひどくなってきたり、便に血が混じっていたりしたら、大腸がんなどの悪性疾患が隠れていることもある。「気になる方は一度医療機関を受診してほしい」とアドバイスしている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

  • 1
  • 2

新着トピックス