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危険な細菌性食中毒=生肉は要注意

 ◇熱湯消毒と再加熱

 感染した鶏肉をしっかり加熱しない状態で口にすると、感染リスクは高まる。カンピロバクター食中毒は少ない菌量で発症するため、新鮮であっても、生や半生で食べるのは危険だ。厚生労働省は、未加熱または加熱不十分な鶏肉料理を避けることなどを呼び掛けている。

 魚から感染する腸炎ビブリオ食中毒は、冷凍技術の進歩や市場における取扱方法の工夫により減少傾向にある。ただ、感染はゼロではないので、早めに食べるか保存方法に注意しよう。黄色ブドウ球菌食中毒は、弁当やおにぎりなどから発生することが多い。弁当事業者や飲食店などへの指導が行き渡り、最近では少なくなってはきたが、感染すると重篤な症状となることもあるので、すぐに食べないときは冷蔵したほうがよい。また、しっかり加熱しないで食べるときは、消費期限が迫っている食品はできるだけ購入しないようにしたい。

 食中毒の感染は食品だけではなく、包丁などの調理器具や手指も原因になる。生肉を調理する時に使用したまな板などを洗わないで使うと、他の食品に付着して体内に入る。鶏肉は加熱されていても、調理中などの2次汚染で他の食品に付着し、時間が経過すれば増殖する可能性がある。細菌が増殖しても見た目や味、臭いも変わらないため、ほとんどの場合、気づかずに食べてしまう。細菌による食中毒は年々減少傾向にはあるが、全体の20%は家庭で発生するという。

 細菌は高温で死滅する。まな板や包丁は使いまわすのではなく、その都度、熱湯消毒をする、弁当やスーパーで購入した惣菜も食べる直前に十分に再加熱することが望ましい。また、生肉などに触れた手指は食中毒菌で汚染されている可能性が高い。取り扱った後は十分に手を洗うことが必要だ。


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