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危険な細菌性食中毒=生肉は要注意

 高温多湿な天候が続く時に気を付けたいのが、細菌性の食中毒だ。原因は近年増えているカンピロバクターをはじめ、大腸菌、腸炎ビブリオ、サルモネラ、黄色ブドウ球菌などで、放置すると重篤化するケースもある。さらに魚に寄生するアニサキスによる食中毒に遭遇することも。アウトドアで肉や魚を食べる機会も増えるこの時期、食中毒の原因菌や寄生虫の特徴を知り、日常的にできる予防を心掛けたい。

 ◇早い菌の増殖

 食中毒の原因となる菌は、私たちの生活の中のあらゆる場所に生息している。それらの菌は普段は静かにしているが、温度や湿度などの条件が整うことで活動が活発になり、体に影響を及ぼす。厚生労働省が2017年に発表した政府広報よると、2014~2016年の3年間に発生した食中毒の原因のトップ3は、カンピロバクター、ノロウイルス、寄生虫だった。夏に多く発生するカンピロバクターは食品安全委員会によると、数百程度の少ない菌数で食中毒を発症するのが特徴だという。一年を通して発生するが、高温多湿になる6月から9月は特に増殖するスピードが早い。

 腸管出血性大腸菌(O―157)により死亡者が出たことをきっかけに、2012年7月に食品衛生法が改正され、飲食店で牛肉の生レバー提供が禁止されたことはまだ記憶に新しい。しかし、食中毒で危険なのは牛肉の生レバーだけではない。

 カンピロバクターを原因とする食中毒の大半は、鶏肉からの感染だ。東京都食品衛生協会食品安全推進室長廣瀬俊之氏によると、現在、市場に出回っている鶏肉の多くは、既にカンピロバクターが付着している状態で出荷されていると言う。

 カンピロバクター菌は鶏の消化管内に生息していることが多い。鶏にとっては病原菌ではなく、感染しても症状には表れない。食鳥処理場で無菌処理するのは難しく、鶏の汚染は、感染した鶏の糞便が他の鶏の体に付着したり、食肉処理の時に菌が付着した臓器が筋肉などに接触したりして、どんどん広がっていく。カンピロバクターを保菌する鶏も排除されることがない以上、菌が付着している可能性が高い。

 農林水産省は2007~2009年度にかけて、肉用鶏農場を対象に鶏のカンピロバクターの保有状況を調査した。その結果、多くの農場が消毒などの衛生管理対策を実施しているにもかかわらず、カンピロバクターについては9~12月で約6割、1~2月で約3割、保有していたことが分かった。

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