中鎖脂肪酸で脳活性化 =アルツハイマーに改善効果?
乳製品や植物由来の天然の脂成分「中鎖脂肪酸」がアルツハイマー型認知症の改善に効果があるという。近藤和雄・東洋大教授(お茶の水女子大名誉教授、臨床栄養学・医学博士)は「アルツハイマーに陥った脳はエネルギー源のブドウ糖を利用できなくなるが、中鎖脂肪酸から作られる物質のケトン体を利用できるため、予防などに有効だと考えられているのです」と話す。
◇乳製品、ヤシ科植物
中鎖脂肪酸は母乳や牛乳、チーズなどの乳製品に含まれているほか、ヤシ科の植物に多く含まれる天然成分で、代表的なものとしてはココナツオイル(約60%が中鎖脂肪酸)やパームオイルがある。
炭素が10~12個連なる分子構造の長鎖脂肪酸に比べ、中鎖脂肪酸は6~8個と短く水に溶けやすい性質を持ち、長鎖脂肪酸より4~5倍速く分解されてケトン体となり、短時間でエネルギー源になる。これまでも医療・介護の現場で栄養補給のために広く使われてきた。
中鎖脂肪酸がアルツハイマーの予防で期待されるようになったのは、2008年に米国の小児科医が若年性アルツハイマーを患った夫にココナツオイル(大さじ2杯半)を毎日摂取させた結果、症状が改善したとの報告があったからだ。
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(2016/10/04 07:11)