中鎖脂肪酸で脳活性化 =アルツハイマーに改善効果?
◇記憶力低下を抑制
アルツハイマーの発症原因は完全には解明されていないが、近年、患者の脳は機能不全でブドウ糖をうまく取り込めないことが分かってきた。
その後、アルツハイマーと軽度認知障害の患者を中鎖脂肪酸と長鎖脂肪酸を毎日摂取するグループに分けて効果を調べたところ、中鎖脂肪酸のグループは血中のケトン体の量が増加し、記憶力の低下が抑制されたことが判明。ブドウ糖の代わりにケトン体をエネルギー源にして脳が機能を取り戻し、症状が改善する可能性が示唆された。
アルツハイマーの予防に中鎖脂肪酸が果たす役割について、近藤教授は今はまだ研究段階と前置きした上で、「安全性が不明な新規物質ではないので、中鎖脂肪酸を含む食品、例えば牛乳や乳製品などこれまで長い間食べてきた食品を積極的に食生活に取り入れ、脳のエネルギー不足を補うことでアルツハイマーの予防に効果があるとすれば、こんなにいいことはありません」と期待を寄せた。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
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(2016/10/04 07:11)