Dr.純子のメディカルサロン

肺がん治療、正しい情報を提供します
市民公開講座のお知らせ 第16回

 「がんと診断されたらもう終わりだ」と思っている方がまだまだ多いと思います。確かにかつてはそうでした。特に進行がんのステージ4と言われたら絶望してしまわれることがほとんどでした。でも医療は猛スピードで進歩しています。ステージ4でも治療をしながら仕事を続け、人生を充実させている方がたくさんいらっしゃいます。

 私は2008年から10年まで、米ハーバード大公衆衛生大学院とダナ・フェーバーがん研究所が運営するヘルスコミュニケーション部門の客員研究員を務めましたが、この部門の責任者、Dr.Vish Viswanathが「がんが死に至る病でなく、慢性疾患として治療できるといいね。『高血圧で治療しながら働いています』というのと同じように『がんの治療をしながら働いています』と言えるようにならないといけない」と語っていたのを思い出します。あれから10年がたち、現在の医療はそのレベルまで進化しています。

 とはいえ、そのことに気が付かず、がんと診断されたらあきらめて仕事を辞めてしまう方もまだまだ少なくありません。また根拠のない治療に多額のお金を払った揚げ句、がんが進行して手遅れになることも多いのです。特に呼吸器のがんはこれまで生存率が低かったこともあり、治療の副作用を恐れて標準的な治療をしない方も多いのが現状です。


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