過度に避けるのも問題
子どもの紫外線対策
紫外線が気になり始める季節。肌の老化などから身を守るには紫外線を防ぐことが重要だが、子どもの場合は過度に避けるのも問題だ。ひふのクリニック人形町(東京都中央区)の上出良一院長に、子どもの正しい紫外線対策について聞いた。
◇将来の発がんリスク
紫外線の害には、急性のものと慢性のものがある。急性は、強い紫外線を浴びて赤く炎症を起こした状態で、「サンバーン」と呼ばれる。慢性は、長期間にわたって紫外線に当たることによる肌の老化や皮膚がんなどの皮膚障害を指す。
「特に皮膚がんは長い時間をかけて発症します。寿命が延びた今、子どもの頃から予防を心掛けることが重要です」と上出院長は指摘する。
日本人は白人に比べると、日焼け(サンタン)という防御反応があるため皮膚がんリスクは低い。皮膚がんは目で確認でき、早期発見もしやすいので、過度に恐れる必要はないが、細胞分裂が盛んな幼少期に紫外線にさらされると、高齢期の発がんリスクを高める危険があり、注意が必要だ。
その一方で、紫外線を極端に避けることにも問題がある。骨の成長、維持に欠かせないビタミンDを体内で合成するのに紫外線は不可欠だからだ。過度に遮断すると、子どもの発育に悪影響を及ぼす恐れがある。
(2018/04/27 18:21)