(第4回)IT活用で注目、「大健康」産業
中国で進化するメディカル・ヘルスケア
中国では、巨大な市場と莫大(ばくだい)な投資を背景に、さまざまな領域においてIT技術を生かした先進的な取り組みが進んでいます。
電子決済サービスやシェアリングバイクに代表されるように、新たな試みが政策的支援の下、短期間で国民生活に不可欠な“社会インフラ”と呼べる存在にまで成長したことも、既にご存じのことと思います。
メディカル・ヘルスケア分野でも同様のことが起こりつつあります。それが、疾病治療を主とした伝統的な医療衛生産業から、健康管理・疾病予防・医療・介護などの諸領域をIT技術の活用によって統合する「大健康」産業へのモデルチェンジの動きです。
「大健康」産業は、病院での医療を中核としつつも、健康食品・サプリメントや健康診断・生活指導から、病後のリハビリ、老人ホームやサービス付き住宅などの養老・介護領域、果てはスポーツ・レジャーまで、まさに生老病死に関わる全ての領域を対象にした幅広い概念です。裾野が広い故に市場規模も大きく、2020年ごろまでには10兆元(約150億円)に達し、その後も成長を続けると言われています。
(2018/05/05 16:00)