CDIメディカル医療インサイト

(第4回)IT活用で注目、「大健康」産業
中国で進化するメディカル・ヘルスケア

◇大手保険会社の取り組み

 ITを活用した「大健康」産業への取り組みの一例として、中国の大手保険会社である平安保険グループの事例を見てみましょう。

 まず、本丸とも言うべき〝IT+医療〟の領域では、専門の子会社がネット病院と呼ばれるサービスを展開しています。「平安好医生」というスマートフォンアプリを通じ、会員にオンラインの健康相談や診療、病院への紹介・予約、病院での決済、医薬品販売サービスを提供中です。

 平安好医生は2000を超える病院とのネットワークに加え、自社でも独自に医師団を組成しており、きめ細やかな健康相談や診療ができることを売りにしています。2016年に本格開始した同サービスは既に中国の〝IT+医療〟の領域では最大級の存在となり、多い日では一日の利用者数が40万人を超えると言われています。

 〝IT+医療〟によって個人顧客を囲い込むことで、医療サービス以外の分野にも進出。決められた予算の中で医療のサービスを行う欧米型のマネージドケア保険ビジネスもその一つです。

 「医師が主、患者が従」というこれまでの古い関係性の中では、医療資源を効率的に活用して医療費抑制につなげるマネージドケアのような医療の在り方を実現することは困難でした。医師と患者の仲介プラットフォームを確立したからこそ、保険商品の設計によって両者の関係を〝再定義〟することができるようになったように思えます。

 個人の健康・診療履歴データの蓄積が進むと、保険に止まらず、医薬品・医療機器・その他の製品やサービスも、より有機的にプラットフォームと結び付くようになってきます。平安保険グループがツムラと資本業務提携した背景には、こうした顧客囲い込み施策の一環として、漢方製品を通して養生から治療まで幅広く対応できる体制確立を目指す狙いがあると理解すべきでしょう。

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