子どもの顔に白い斑点
「はたけ」は保湿がカギ
小学生の頬やこめかみに直径数ミリから数センチの色の抜けた円形の斑点が現れ、よく見ると米ぬかのような小さな皮膚片が浮き出てかさかさしている。これは、「顔面単純性粃糠疹(ひこうしん)」、いわゆる「はたけ」の症状だ。顔にできるので心配する人は多いが、わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市)の野崎誠院長は、「ほっておいても一定以上は広がりません。いずれ自然に消失します」と話す。
▽乾燥が関係
「乾燥肌の一種、あるいは乾燥性の湿疹の初期症状と言ってもよいでしょう。日差しが強くなると周囲の肌が焼けて色が濃くなり、白い病変が目立って気付きやすくなりますが、多くは秋から冬にできるものです。かゆみなどがなく、すぐには気付かないことが多いようです」と野崎院長。
はたけが白く見えるのは、病変部の色素を作る力が落ちているからだという。
▽日焼け止めを活用
特別な治療をしなくても数週間から数カ月で斑点は消えるが、乾燥肌なので保湿は心掛けたい。野崎院長は、「ローションタイプよりクリーム状の保湿剤が効果的です」と指摘する。早く治そうと皮膚科を受診した場合は、症状に応じて弱いステロイド剤が処方されることもある。
洗浄力の強い洗顔料でごしごしこすり洗いをするのは禁物だ。必要な皮脂まで落としてしまい、さらに乾燥が進んで赤くかさかさした頬になりかねない。
はたけに似た症状の病気に顔の水虫がある。数は少ないが、ペットに頬ずりするなどスキンシップが多い人に見られる。こちらも患部がかさかさして白っぽくなるが、かゆみがあることに加え、時間とともに徐々に広がり続けるので見分けは付く。水虫の場合は皮膚科で治療する必要がある。
「はたけは日焼けすると目立つので、気になるなら日焼け止めを使うとよいでしょう。患部に塗っても大丈夫です」と野崎院長はアドバイスしている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2018/08/11 11:00)