(第8回)拡大する薬剤師の役割
在宅医療現場の「チーム医療」
--非常に興味深いのは薬剤師と他職種との連携だけではなく、別組織で働く薬剤師同士が連携していること。そして薬剤師発信で地域の在宅医療をもり立てようとしていることです。
このような動きがさらに加速し、われわれのプロフェッショナリティを患者さんやご家族、そして他の医療スタッフにご理解頂き、地域において薬のことは薬剤師に進んで任せていただける状況を目指していきたいと思っています。
--今後、地域における薬剤師の方々の役割がどのくらい拡大していくのか、チーム医療の中で、どのような役割を担っていくのか関心を持ちます。今後も着目していきたいと思います。本日はありがとうございました。
大須賀 ありがとうございました。(文 谷明日美)
◆求められる役割の転換
薬学に関する専門性の追求は変わらないものの、「対物業務から対人業務」へと医療現場で期待される役割の転換が求められている薬剤師。社会的要請を理解しつつ、患者さんによりよい医療を提供するための新たな方法を模索するなかで、先進的な取り組みが生まれてきているのではないでしょうか。
今後、規制緩和やテクノロジーの発展により、医療現場で期待される役割もさらに変化拡大する可能性も考えられます。地域における在宅医療のニーズが増す中で、より効率的に多職種が連携し、それぞれが専門性を発揮できる制度設計や環境整備が進むことを期待します。(CDIメディカル・谷明日美)
大須賀 悠子(おおすが・ゆうこ)
薬剤師。医療法人社団プラタナス桜新町アーバンクリニック在宅医療部にて、在宅療養支援診療所における薬剤師業務の開拓と実践に携わる。東邦大学薬学部卒業、同大学大学院薬学研究科修了 。総合病院の薬剤室にて5年間勤務したのち保険薬局勤務を経て、現職。
谷 明日美(たに・あすみ)
株式会社CDIメディカル副査。慶応義塾大学総合政策学部卒、同大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了(政策・メディア修士)。株式会社メディカルクリエイト、株式会社エス・エム・エス/株式会社エス・エム・エス キャリアを経て、現在に至る。
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(2018/09/01 16:00)