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例えば、腹痛で受診された方には、痛みが食事と関係があるかを尋ねることが多いです。空腹時にひどい、食後にひどい、食事とは関係なくひどい、といった傾向がないかどうかを知りたいからです。
他にも、時間帯と関係があるか(夜にひどい、朝起きた時がひどいなど)、体の動きと関係があるか(体をひねると痛い、歩くと痛い)といった傾向があるかどうかも大切です。
一方、じっとしていても痛い、何をしても痛みが変わらない、というタイプの痛みを「安静時痛」と呼びますが、これも大切な情報です。安静にしていても痛いケースでは、そのように伝えましょう。
こうしたポイントは突然聞かれても答えにくいと思いますが、事前に意識していれば答えやすいはずです。
◇どんな種類の痛みか
重い痛み、キリキリする痛み、ジンジンする痛みなど、痛みの性質を説明しましょう。例えば心筋梗塞の患者さんは「重苦しい」「しめつけられる」「圧迫されるような」胸の不快感を訴えるのが特徴とされます。
クモ膜下出血は、時に「バットで殴られたような」と表現されることもある、突発的な激しい痛みが特徴的です。このような痛みの表現は難しいと思いますが、可能であれば説明できるとよいでしょう。
◇痛みの場所と放散
痛む部位を正確に伝えること、またそれがどのくらいの範囲に広がっているかを説明することが重要です。
おなかが痛い時、指先でピンポイントに指せるくらい狭い範囲なら、内臓よりも体表面に原因のある痛みを想定します(もちろん帯状疱疹=ほうしん=のように、範囲は広いが体表面の痛みという例外もあります)。
虫垂炎(いわゆる「盲腸」)の痛みは、最初はみぞおちが痛くなり、その後右下腹部に移動する、というケースが典型的とされます(そうでないケースも多いですが)。
心筋梗塞の胸の痛みは、ときに肩や喉に放散する(痛みの範囲が広がる)ことがあり、肩こりや歯の痛みと表現されることもあります。
痛みの部位や広がりについては、正確に説明できるようにしておきましょう。
◇痛みの強さ
外来で、おそらく患者さんが最も伝えたいと思っているのが、「どのくらい痛いか」です。痛みの強さを説明する時にもコツがあります。「これまで経験したことがないような痛みかどうか」を伝えることです。
例えば、クモ膜下出血や脳出血、髄膜炎など危険な頭痛を疑う場合、私たちは「人生最大の痛みですか?」と聞くことがあります。一方、片頭痛など、同じ種類の頭痛発作を繰り返す病気もあります。
「すごく痛い!」と強く訴えるより、「こんな痛みは初めてか」「以前にも同じような痛みを経験したか」を伝えることが大切です。また経験したことがあるなら、それはいつごろか、どのくらいの頻度で起こるのか、医師に何と診断されたかも合わせて説明できるよいでしょう。
◇時間経過
痛みの時間経過を説明する上で大切なポイントが二つあります。「いつから痛いか」「悪くなったり良くなったり、という痛みの波があるか」ということです。例えば「1年前から同じくらいずっと痛い」という場合は、「慢性的な痛み」なので、急性発症の危険な病気である可能性は低くなります。
おなかの激痛で腹膜炎を疑っていても、「1時間前は激痛だったけれど、痛みに波があって今は全く痛くない」という場合は、その可能性は低くなります(もちろん自覚症状がそうであっても、おなかの診察をすると腹膜炎が疑われる、というケースもあります)。発症したタイミングと、発症してから受診時までの痛みの変化を説明するとよいでしょう。
以上6点が、痛みについて医師が知りたいポイントです。
むろん、痛みでつらい時に多くのことを冷静に伝えるのは難しいでしょう。しかし、症状がつらい時ほど、その症状を医師にうまく伝えきれなかった経験は多いはずです。「一般的に何を聞かれるか」がわかっていれば、少し落ち着いて医師に説明できるのではないでしょうか。
(2018/09/05 10:00)
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