教えて!けいゆう先生

病院で痛みを説明する六つのコツ
医師は何を知りたいのか

 病院で自分の痛みを医師にうまく説明できず、もどかしい思いをした経験はありませんか?外来で医師から質問攻めにされ、しどろもどろで答えたはいいが、家に帰ってから「しまった、あのこと言い忘れた!言えば医師の判断は変わったかもしれない」と不安になったことがある、という方も多いでしょう。

 今回は、医師にうまく痛みを説明するコツを紹介したいと思います。

 ◇私たちが学ぶ問診方法

 私たちは、医学生あるいは研修医の時に患者さんに対する問診の方法を学びます。

 どこかの痛みで外来を受診された患者さんに、「どういう順序で何を尋ねるか」についても、細かく学ぶことになります。ということは、私たちがどんな方法で患者さんに問診するかを知っていれば、「何を聞かれるか」はおのずと明らかだということになります。

 何を聞かれるかを知っていれば事前に準備ができ、必要な事項を落ち着いて医師に伝えることができます。

 では、私たちは「痛み」を訴える患者さんに何を尋ねるでしょうか?その答えは以下の六つのポイントに集約されます。

 (1)どんなふうに発症したか
 (2)どうすると痛みが軽くなる、あるいは強くなるか
 (3)どんな種類の痛みか
 (4)痛みの場所
 (5)痛みの強さ
 (6)時間経過

 これだけでは分かりにくいでしょう。順に分かりやすく解説していきます。

 ◇どんなふうに発症したか

 私たちが「どんなふうに発症したか」を尋ねる時は、「突然痛くなったか」それとも「徐々に痛くなったか」を知りたい時です。「突然」というのは「何をしている時に発症したか」をかなり細かく言える、というケースです。

 例えば、クモ膜下出血はある瞬間に「突然」頭痛が起こることが多い疾患です。典型的なケースでは「何をしている時に痛くなりましたか?」と尋ねると、「テレビドラマのこのセリフの時」というくらい痛みのタイミングを細かく言えたり、「何時何分に」と「分」まで正確に言えたりします。

 医師から「突然痛くなりましたか?」と聞かれた場合は、こういう始まり方であったかどうかを聞いている、と思っておきましょう。

 一方、ある瞬間痛くなったのではなく、「徐々に痛くなってきた」というケースもあるでしょう。その場合は、「何時ごろから何時間くらいかけて痛くなってきたか」を説明できるとよいでしょう。

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