ぜんそく患者は警戒を
風邪、インフルで症状悪化
◇気圧の変化でも症状
呼吸時の「雑音」を聴診する
症状が安定しているように見えるぜんそくの患者も、さまざまな理由で急にぜんそくの症状や呼吸機能自体が悪化したり、肺炎や急性の気管支炎を誘発したりしてしまうことがある。多くは風邪やインフルエンザなどの感染症が引き金となるが、中には「急に寒い日が続いた」「気圧の激しい変化から調子がおかしい」など、微妙な環境の変化がきっかけになるケースもある。
相良教授は「まずは問診による体調変化の把握や聴診で呼吸音の乱れに早期に気づいて、必要なら胸部のX線撮影や血液検査を組み合わせて異常や病気を確定させる。合併症があれば治療し、その後も呼吸機能が回復するまで、丁寧な経過観察を欠かさないことだ」と説明する。
ぜんそくと診断されていなかったのに、風邪やインフルエンザによって症状が悪化して、「ぜんそくです」と診断される患者も、大人を中心に一定数いる。同教授は「風邪やインフルエンザのあと、せきや息苦しさが続く場合、一度ぜんそくを疑ってほしい」と呼び掛けている。
【用語説明】ぜんそく
肺につながる気管支の内側に慢性炎症が続き、刺激に敏感になった状態。刺激を受けた気管支が収縮して空気が通りにくくなり、急激な呼吸困難を引き起こす。患者が激しくせき込む発作は、この呼吸困難時に少しでも空気を吸い込もうとして起きる。発作がコントロールできない場合、死亡に至る恐れもある。(時事通信社 喜多壮太郎・鈴木豊)
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(2018/11/11 06:00)