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2年ほど前、私は右肩のけがで全身麻酔手術を受け、1カ月ほど入院したことがあります。右肩の磁気共鳴画像装置(MRI)検査を受け、整形外科の主治医に手術が必要だと判断され、その数日後に手術のスケジュールを伝えられました。
手術日は私が外来を受診した日から約3週間後でした。私は「まだ3週間も痛みに耐えなければならないのか」とは思いませんでした。むしろ「意外に早いタイミングで手術日が空いていたのだな、助かった」と感じたのです。
手術に至るまで、思ったより時間がかかる
◇手術までには時間がかかる
実は、手術が必要になった患者さんに手術日程を伝えると「そんなに先になるんですか。今すぐやってもらえないんですか」と言われることがよくあります。
手術は初診日から1カ月程度先になるのが一般的で、場合によってはもっと先になることもあります(もちろん病院によって例外はあります)。
何らかの症状で悩む患者さんにとっては、「なるべく早く手術を受けて症状を改善させてもらわないと困る」と思うのは当然でしょう。症状のない病気であっても、病気であると診断された以上、「とにかく早く手術を受けて病気を治したい」と願うものです。
しかし、手術の前にはさまざまな準備が必要です。
◇必要な準備とは
手術が必要な患者さんはまず、さまざまな術前検査を受けなければならないため、数週間の時間的な猶予が必要です。
例えば、大腸がん手術が予定された患者さんに対しては、事前に詳細な血液検査、大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)、コンピューター断層撮影(CT)や MRIなどの画像検査、注腸造影検査(大腸にバリウムのような造影剤を注入する検査)などが必要です。
また、心肺機能が全身麻酔に耐えうるかどうかを調べるため、呼吸機能検査を行ったり、患者さんによっては心臓の超音波検査が必要になったりします。
私たちは、こうした検査結果を全てそろえ、チーム全体で会議をし、その患者さんに対してどういう手術を行うのが妥当か、予定された術式で安全に施行可能か、といったことを慎重に吟味しなければなりません。
また、病院では毎日、術前検査以外にもさまざまな目的で多くの人がこうした検査を受けているため、予約枠が限られています。枠の空いたところに、患者さんの都合を聞きながら予約を入れていく形になります。
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