治療・予防 2024/11/21 05:00
抗生物質が根本治療薬に
筋強直性ジストロフィー
肥満症は生活習慣病の大きな要因の一つで、解消すればさまざまな病気の改善が期待できる。治療は食事療法と運動療法がメインだが、体質的な側面もある。一度増えた体重を落とすのは難しく、ダイエットで一時的に痩せてもリバウンドを繰り返す人は多い。そこで注目されるのが減量外科手術。糖尿病改善の効果も期待されるという。国内の減量外科手術のパイオニア「四谷メディカルキューブ」(東京都千代田区)の笠間和典医師に聞いた。
◇BMI25以上
―肥満体形の人はよく見掛けますが、肥満症はどのような病気ですか。
笠間 肥満と肥満症は医学的には区別されます。肥満は太っていることを意味しますが、肥満症は太っていることに付随して、何らかの健康障害(合併症)を有している状態を言います。世界保健機構(WHO)は、体格指数(BMI)が30以上の場合に肥満と定義していますが、日本は25以上を肥満としています。
肥満は摂取カロリーが消費カロリーを上回ることで起きます。単純に食べ過ぎの場合もあれば、同じものを同じだけ食べても太る人がいます。つまり、生まれ持った遺伝子や腸内細菌が深く関係して太りやすい体質の人がいるわけです。食べることは人間の本質に立脚しています。ある程度太ってしまうと、ダイエットで一時的に痩せてもリバウンドする人が多く、自力で痩せるのは簡単ではありません。
肥満は世界的に増えていて、肥満症が原因で病気が悪化し死亡する人が激増しています。米国人だけでも年間40万人以上が命を落としています。
◇耐性弱い日本人
―日本人には病的な肥満の人が少ないように思いますが、欧米と同じように増えているのでしょうか。
◇美容整形と異なる
―一般的に病院で行われる肥満の内科的治療はどのようなものですか。
笠間 食事療法、運動療法の指導が中心で、基本は生活習慣病に対する生活改善と同じです。特別な治療は行いません。国内で認可されている肥満症治療薬は「サノレックス」1種類のみです。ただ適応はBMI35以上の人で、継続使用は最長3カ月間と限定されています。大抵の場合、耐性ができてリバウンドし元に戻ってしまうことが多いようです。海外には日本で認可されていない肥満治療薬もいろいろありますが、副作用もあり、私の知る限り、特効薬と言えるものは見当たりません。
―減量手術というと、美容的な目的で、脂肪吸引を行うイメージがあるのですが、減量外科手術はそれとは区別されるのでしょうか。
笠間 世界中で一般に行われている減量外科手術は、美容整形の脂肪吸引とは異なります。減量外科手術の目的は、単に体重を落とすということではなく、肥満に伴う健康障害(合併症)を改善させることです。日本ではあまりなじみがありませんが、世界中で年間60万人が受けているポピュラーな治療法です。他の医学的手術と比較しても、執刀数ははるかに多く、上部消化管手術の中では世界で最も多く行われています。
◇米糖尿病ガイドラインに
―減量外科手術は海外ではいつ頃から行われるようになったのですか。
〔後半に続く〕肥満症、笠間和典医師に聞く(下)=減量外科手術、糖尿病にも期待
(2017/03/16 16:10)
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~血液がんのホジキンリンパ腫(国立がん研究センター中央病院 伊豆津宏二科長)~