治療・予防

若い女性に多い難病
高安動脈炎の発症サイン(東北大学病院リウマチ膠原病内科 白井剛志病院講師)

 めまいや立ちくらみ、疲れやすいといった症状だけでなく、脳梗塞や心筋梗塞などを起こすこともある「高安(たかやす)動脈炎」。若い女性に多く発症する原因不明の難病だ。東北大学病院(仙台市)リウマチ膠原(こうげん)病内科の白井剛志病院講師に聞いた。

 ▽発症のサイン

 高安動脈炎は、全身の太い血管に炎症が生じ、詰まったり狭くなったりする疾患。脳の血管に起こると、めまいや立ちくらみ、失神、頭痛、視力障害、脳梗塞などの原因となる。手足の血管に生じると、腕が疲れやすくなり、歩行が困難になる。心臓や腎臓の血管では、高血圧狭心症、心筋梗塞、弁膜症、大動脈解離、腎不全などの原因となる。

 国指定の難病で、国内の患者数は約6000人とされ、潜在患者はその倍以上になるという。患者の9割は女性で20歳代に発症することが多い。

 高安動脈炎は、体の免疫の仕組みが過剰に働き、自分の細胞や組織を攻撃する自己免疫疾患の一つ。自身を攻撃する自己抗体の存在は知られていたが、標的の自己抗原の種類は不明だった。白井医師らが独自の方法で研究した結果、血管の内側にある細胞の表面には高安動脈炎に特有の2種類の自己抗原が存在することが分かった。

 ▽専門医の受診を

 診断は難しい。「特に初期には患者さんが微熱やだるさなどを訴えることから不定愁訴とみなされ、診断が遅れてしまいがちです」。治療薬の選択や使い方も注意を要する。「ステロイド薬が使われますが、若い患者さんは炎症が強いため用量を増やす必要があります。その場合、糖尿病や骨粗しょう症などの副作用に気をつけなくてはいけません」

 最近は、IL―6阻害薬やTNFα阻害薬などの生物学的製剤が用いられている。しかし、患者によって炎症を起こすサイトカインの種類が異なるため、効果が不十分なこともある。特有の自己抗原の発見で、治療上の問題点が解決に向かうと期待される。

 白井医師は「40歳未満の女性でめまいや立ちくらみ、疲れやすいといった症状に悩む方は、かかりつけの医師の紹介でリウマチ膠原病内科、循環器内科の専門医の受診をお勧めます」と呼び掛ける。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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