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乳房の皮膚が赤くなる炎症性乳がんは、症状が急性乳腺炎と似ており、がんを疑われずに診断や治療が遅れるケースもある。聖路加国際病院(東京都中央区)乳腺外科の山内英子部長は「しこりがなくても、乳房が赤くむくむことが続いたら、炎症性乳がんの可能性がないか検査することを勧めます」と話す。
定期検診を受けていても安心は禁物。気になったら受診を
▽オレンジに似た凹凸
炎症性乳がんは、乳がん全体の0.5~2%程度と比較的まれで、通常の乳がんとは異なる特殊なタイプに分類される。山内部長は「しこりを触知しない場合もあり、片側の乳房が急に少し大きくなり左右差を感じることが多いです。乳房の皮膚が赤くむくみ、オレンジの皮のような凹凸があるのが特徴です」と説明する。
視診や触診で、脇の下のリンパ節の腫れや乳頭のくぼみが確認できることも多い。ただ、細菌感染症である急性乳腺炎の症状と区別がつきにくい。「乳房の皮膚の発赤(ほっせき)やむくみが1カ月くらいで急に悪化するときは、受診を勧めます。授乳期でもなく感染する要因もない、または抗菌薬が効かない場合は、炎症性乳がんの可能性を調べることが重要です」
▽画像と生検で診断
診断は難しいが、山内部長によると、乳房の観察や病歴、複数の検査結果から総合的に診断する。最初に行う画像検査は、乳房の超音波と通常30歳未満は行わないマンモグラフィーで、うみがたまるなどの感染の病巣か、がんの疑いがあるかを判断する。必要に応じて磁気共鳴画像装置(MRI)検査を追加。乳房と皮膚の病変部の一部を採取する生検で診断する。
がんが判明すれば、コンピューター断層撮影(CT)などで他の臓器への転移を調べる。治療は、通常は抗がん薬の使用後に、乳房の手術や放射線療法などを組み合わせる集学的治療が検討される。
「炎症性乳がんはまれですが、進行が速く、大半がある程度進行してから見つかります。定期的に検診を受けているから大丈夫と思わず、異常があれば乳腺専門医のいる医療機関で詳しい検査を受けてください」と山内部長はアドバイスしている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2022/03/29 05:00)
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