治療・予防

胸から脇のしこり―モンドール病
まれに乳がんとの合併も(千葉大学医学部付属病院総合診療科 上原孝紀副科長)

 胸に筋状のしこりができるモンドール病は女性に多い良性の病気だが、乳がんを心配する人も少なくない。千葉大学医学部付属病院(千葉市)総合診療科の上原孝紀副科長は「縦に走る筋状のしこりが特徴的で、痛みを伴います。多くは1~2カ月で自然に治ります。まれに乳がんと合併している場合もあるので、筋状のしこりに気付いたらかかりつけ医と相談してください」と話す。

筋状のしこりに気付いたら、かかりつけ医に相談を

 ▽静脈の炎症

 胸腹壁静脈は、腹部から胸部にかけて体の前面、外側を上行する。この静脈にさまざまな要因で乳房から脇の下辺りで炎症が起こり、血管が詰まってしこりが表れる。これがモンドール病だ。上原医師は「筋状のしこりは、10~20センチほどの長さで、盛り上がっている場合もあれば、へこんでいる場合もあり、押すと痛みを伴います」と説明する。

 大半は、何となく痛みや違和感が生じた後、1~2日で症状がピークに達し、1~2カ月で自然に治っていく。中年女性に多いが、まれに男性にも見られる。乳腺専門外来を受診した患者41人についてまとめた報告によると、男女比は1対40だったという。

 発症には、激しい運動やきつい補正肌着、重いリュック、乳腺の手術など、繰り返し静脈に負担がかかるような状況が関連するのではないかと指摘されている。乳がんの術後にも見られるため、再発したのではと不安に感じる人もいるという。

 ▽強い痛みなら薬で

 モンドール病を発症した場合、9割は乳がんと関係なく、1割で見つかるという報告がある。痛みやしこりなどの気になる症状があれば、まずかかりつけ医を受診し、モンドール病と診断された場合は乳腺外科への紹介が検討される。

 乳がんの合併がなければ、消炎鎮痛薬など強い痛みへの対症療法の他に特別な治療は必要ない。

 上原医師は「見た目や触った感覚が特徴的な病気なので、かかりつけ医や乳腺専門医に相談してください。いったん落ち着いた後、しばらくして再発する方もまれにいるので、症状が完全になくなるまで経過観察を続けることが大切です」とアドバイスしている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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