治療・予防 2024/11/22 05:00
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好酸球性胃腸炎(EGE)は、消化管に好酸球という白血球が多く集まり、炎症を起こす病気。日本人に多く、難病に指定されている。国立成育医療研究センター(東京都世田谷区)研究所好酸球性消化管疾患研究室の野村伊知郎室長は「幅広い年齢層で発症し、日常生活にも影響を及ぼします」と話す。
胃や小腸、大腸に好酸球が増加し炎症が起こる
▽好酸球が増加し炎症に
EGEは、食べ物の消化吸収を行う胃や小腸、大腸に好酸球が増加し炎症が起こる。野村室長は「例えば胃に炎症が起こると、吐き気や嘔吐(おうと)。小腸では下痢や栄養障害、体重減少、大腸では下痢や血便が出るなどの症状が起こります。胃や小腸、小腸や大腸といったように複数の場所に炎症が起こることもあります」と説明する。
0~80歳を超える幅広い年齢層で発症し、男女差はほとんどない。症状の出方には、6カ月以上続く持続型、6カ月以内に症状が治まり、以降の発症がない単発型、定期的に再発を繰り返す間欠型の三つがある。「持続型と間欠型でEGEの70%以上を占めます。学校や仕事に行けないなど、生活に大きな影響を及ぼします」
根本的な原因は分かっていないが、ぜんそくやアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患を持つ人の発症が目立つので、なんらかのアレルギー反応だと考えられている。アレルギー反応は、原因物質が体内に入ってすぐに発症する即時型と、数日から1週間後、1カ月後と時間がたってから表れる非即時型がある。EGEは後者だ。そのため、原因物質の特定は困難を極めるという。
▽医師と二人三脚で治療
検査は消化管内視鏡検査を行う。組織を数カ所採取し、顕微鏡で好酸球数を調べ診断する。
根本的な治療法は確立していないため、全身性ステロイド薬を服用して症状を抑える。「ただし、長期服用は骨粗しょう症やうつ病、肥満などの副作用を招く恐れがあるため、抗アレルギー薬や胃液の分泌を抑制するプロトンポンプ阻害薬なども使われます」と野村室長。特に子どもの場合は、ステロイド薬の使用が身長の伸び方にも影響するので、食事療法なども取り入れる。
EGEは、医師にもあまり知られていない。そのため患者は、検査や診断も含め、主治医を探すのに苦労するという。野村室長は「今後、治療できる医療機関をピックアップし、ホームページで順次公開していく予定です」と話している。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2022/09/25 05:00)
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