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片頭痛のある人は、炎天下に出歩くと頭が痛くなりがち。その原因と対処法について、富士通クリニック(川崎市)頭痛外来の五十嵐久佳医師に話を聞いた。
暑さが引き金になる片頭痛
◇暑さが引き金になる片頭痛
頭痛は大きく2タイプに分かれる。一つは、片頭痛や緊張型頭痛などの疾患、もう一つは、くも膜下出血や脳腫瘍など他の病気の症状の一つとして起こる頭痛である。
「夏に頭が痛くなりやすいのは片頭痛です」と五十嵐医師。要因には、暑さの他、ストレス、寝過ぎ、寝不足、光、音、臭い、天候、軽い脱水、空腹などがある。女性では月経も頭痛のきっかけとなる。
頭の片側の痛み、ズキンズキンと脈打つような痛み、かなりつらい中等度から重度の痛みがある。動くと痛みが強くなったり、吐き気、光や音に過敏になったりすることもある。
緊張型頭痛は、頭の両側で起こり、軽度から中等度の締め付けられるような痛みを伴う。吐き気はない。デスクワークや車の運転でうつむくなど、長時間同じ姿勢をとっているときに起こりやすい。
暑さによる片頭痛は、軽い脱水状態が引き金となって起こる。「塩分を含む経口補水液やスポーツドリンクなどを携帯し、水分補給することが大切。汗をかいたときは多めに飲むようにしてください」
日傘を差すのも効果的だ。光で片頭痛を起こす人は、サングラスを掛けるといった対策を。寒暖差も引き金になるため、エアコンの風が直接当たらない工夫や、首にスカーフを巻くなどする。
夏によく見られる熱中症は、体温調節機能が正常に働かなくなり、上がり過ぎて体調不良を起こす。
初期症状は、めまいや立ちくらみ、大量の発汗、筋肉痛などがあり、中等度では頭痛や吐き気、だるさを訴えることがある。重症になると意識がなくなり、全身のけいれん、呼びかけに無反応、真っすぐに歩けない、といった症状が表れる。
応急処置として涼しい場所に移動し、片頭痛と同様に、水分補給の上で安静にする。中等度以上の場合は、氷枕や保冷剤で両側の首筋や脇の下、脚の付け根を冷やして体温を下げる。重症化すると命の危険につながることも。
「軽度でも回復しない場合や中等度以上では、救急車を呼ぶか、病院の受診が必要です」と五十嵐医師は助言する。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2024/06/21 05:00)
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