一流に学ぶ 心臓カテーテルのトップランナー―三角和雄氏

(第10回)
カテーテルスタジオは「宇宙船」
4つの手術を同時進行

 千葉西総合病院のカテーテルスタジオに一歩足を踏み入れると、近未来的な空間に目を見張る。「宇宙戦艦ヤマトの操縦室をイメージして設計したんですよ」と三角氏。嫌々引き受けた院長のポストだったが、実績を積んできた結果、老朽化した病院を建て替えることができた。

 三角氏の経験とセンスが詰まったカテーテルスタジオは6室。すべてがガラス張りで、進行中の手術の様子はレントゲンの画像や心電図とともに壁面のモニターに大きく映し出される。一段高い位置に設置された司令塔から、治療のすべてが見渡せる。ここまでの規模のカテーテルスタジオは世界でも例を見ないという。

 「心臓カテーテル治療は一刻を争う。順番を待っている間に患者さんが死んでしまったら元も子もありません。同時進行で進めていかないと、とても追いつきません。安全性を保ちながらできるギリギリの数が6室でした」。壁面にはチーム・デルタの文字が。ギリシャ語でデルタは三角形、三角氏のチームという意味だ。

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