ダウン症候群〔だうんしょうこうぐん〕 家庭の医学

 21番の染色体が1本多くなり、3本あるために起こる病気です。染色体の数は47本になります。ダウン症候群は、新生児700~1000人に1人の割合で生まれています。

[症状]
 目じりが上がって、目の内側にひだがあり、両目の間隔があいており、鼻が低く、耳たぶが小さく、耳が下についています。乳児期は、筋肉の緊張が弱いためにからだがやわらかく、哺乳が弱く、体重増加不良で、発達も遅れますが、その程度は軽度から重度に及びます。約半数に先天性の心臓の病気があり、甲状腺ホルモンの低下、消化管の奇形や白血病なども合併することがあります。

[予防][治療]
 ダウン症候群は、母親の出産時の年齢が上がるほど増加するので注意が必要です。根本的な治療法はありません。心臓の奇形に対する対応、感染に対する抵抗力が弱く肺炎を起こしやすいので感染時には早めに対応する、甲状腺ホルモンの検査をするなど、合併症への対応が重要です。
 また、頸椎(けいつい)の上部で亜脱臼を起こしやすく、脊髄が圧迫されると四肢まひを起こす可能性があるので、でんぐり返しをしないなど、くびに衝撃を与えないように注意します。ダウン症候群の子どもは教育効果が期待でき、早期療育による精神運動発達の促進が重要です。年齢に応じた療育プランを専門医とともに考えてください。
 小児慢性特定疾患に指定されています。

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