ぶどう膜の腫瘍〔ぶどうまくのしゅよう〕 家庭の医学

■ぶどう膜悪性黒色腫
 白人に多い悪性腫瘍で、日本人には比較的まれな病気です。40~60歳代に多く、視野異常、視力障害で気づきます。眼底に黒褐色の腫瘤(しゅりゅう:こぶ)をみとめます。虹彩に腫瘤ができると外からでも見えます。放置すると徐々に大きくなり、眼球外に出て転移します。
 治療は、前眼部の小さな腫瘤は切除しますが、脈絡(みゃくらく)膜腫瘍の場合は、小さければ部分切除や光凝固、放射線療法をおこないます。

■ぶどう膜転移がん
 からだの他の臓器に発生したがんが、ぶどう膜に転移したもので、男性では肺がんから、女性では乳がんからのものが多いようです。転移巣の場所や大きさにより症状は異なりますが、視野異常、視力障害で気づくことが多くあります。眼底所見、超音波(エコー)検査、CT(コンピュータ断層撮影)検査や全身検査により診断されますが、原発巣(げんぱつそう)が不明な場合もあります。
 治療は原発巣に対する治療と、抗がん薬および目のがんに対する放射線療法をおこないます。

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