急性中耳炎〔きゅうせいちゅうじえん〕

 4~5歳までの小児に多くみられ、発熱があり、耳が痛くなるもので、おもにかぜや鼻炎に続いて起こります。耳が痛い中耳炎として知られる子どもの病気です。

[原因]
 鼻腔(びくう)から侵入した細菌やウイルスが耳管を通り、中耳腔で増殖して炎症を起こすのが原因です。外耳道から細菌が侵入するものではなく、プールの水が耳に入ったために起こることはありません。

[症状]
 炎症が軽い場合は、耳がつまった感じがしたり、軽い痛みや軽い難聴が起こります。高熱を伴い炎症が強い場合は、中耳腔にうみがたまり鼓膜を圧迫するので、鼓膜は充血して水疱(すいほう:水ぶくれ)のようにはれあがり、激しい痛みが生じます。うみに圧迫され鼓膜が自然にやぶれると、痛みや熱は治まりますが、うみが耳だれとなって流れ出てきます。痛みを表現できない乳幼児では、しきりに耳に手をやったり、きげんがわるくなったり、吐き気をもよおすこともあります。

[治療]
 痛みが夜間に起こったときは、あわてず、翌日耳鼻科を受診します。市販の小児用解熱鎮痛薬などが手もとにある場合はそれをのませます。診察では症状や鼓膜所見などから軽症、中等症、重症と診断します。
 軽症では経過観察にとどめ、3日たっても改善しない場合はペニシリン系抗菌薬を内服し、それでも改善しない場合は抗菌薬の投薬量をふやしたり、変更します。
 中等度と診断された場合は抗菌薬を最初から多めに投与し、経過によっては抗菌薬の変更や鼓膜切開をおこないます。
 重症では抗菌薬に加えて鼓膜切開をおこないます。このほか、痛みや発熱には解熱鎮痛薬を用います。
 抗菌薬の効果を知るために細菌検査もおこなわれます。耳内にうみがある場合はそれを採取し、ない場合は鼻の奥(上咽頭)から採取します。これは中耳と上咽頭の細菌が同じと考えられるからです。
 切開後の鼓膜は通常数日でふさがります。再発をくり返しやすく、滲出(しんしゅつ)性中耳炎が残ることもあるので、抗菌薬の内服は自己判断で中止せず、医師の指示に従います。痛みなどの急性症状がある場合は入浴を控え、安静にします。予防のポイントは、手洗い・うがいをすること、かぜをこじらせないこと、副鼻腔(びくう)炎では鼻の治療を根気よくすることです。就学時までに多くの乳児は急性中耳炎にかかりにくくなります。
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