腹壁瘢痕ヘルニア〔ふくへきはんこんへるにあ〕

 開腹手術の傷あとに“腹壁瘢痕ヘルニア”が起こることがあります。
 この腹壁瘢痕ヘルニアは、虫垂切除術、胃切除術、胆嚢(たんのう)摘出術のほか、すべての開腹手術のあと、特に高齢になってから、組織が弱くなって、立ち上がったり力んだりすると、腸がそこから膨隆(ぼうりゅう)してくるものです。
 開腹手術をして閉じるとき、何層にもていねいに縫合(ほうごう)すれば起こりにくいのですが、高齢の女性などで腹壁が薄くて弱い場合、縫合した組織が糸で切れたり、組織が弱くなってたるんで伸びたりしてますます薄くなると、抵抗が弱くなって、腹圧で腸が膨隆してくるようになるのです。小さいものはピンポン玉の大きさから、大人の頭よりも大きくなることがあります。腹壁瘢痕ヘルニアは嵌頓(かんとん)して腸閉塞になることは少ないのですが、苦痛があればコルセットで圧迫したり、それでもだめなときは手術します。
医師を探す