腰椎分離症〔ようついぶんりしょう〕 家庭の医学

 腰椎の椎弓(ついきゅう)の一部に分離ができ、腰痛などの症状が出たものを分離症と呼びます。多くは、第4腰椎または第5腰椎にみられます。小中学生の過度のスポーツ活動により、同部の疲労骨折として生じるとされています。
 X線検査で分離をみとめるものの、症状がまったくない場合も少なくありません。一般的には、ときどき軽度の腰痛をみとめる程度であり、日常生活やスポーツにはほとんど支障はありません。椎間板(ついかんばん)の変性が進み、椎体が前方にすべると腰椎分離すべり症と呼ばれます。
 いずれも腰をうしろに反らすと痛みがみられます。腰椎分離すべり症では神経根が圧迫され、腰痛のほかに坐骨神経痛がみられることがあります。


[治療]
 腰痛症と同様です。小児の分離症では骨癒合(こつゆごう)が期待できることもあります。しばらく運動を休み、コルセットを装着します。
 大人の分離症や分離すべり症で腰痛や坐骨神経痛が強く、歩行障害が続くような場合には、腰椎固定術をおこない痛みを取り除くことが可能です。

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