ACTH分泌腫瘍(クッシング病)〔えーしーてぃーえいちぶんぴつしゅよう(くっしんぐびょう)〕

 血中の副腎コルチゾールの分泌が過剰になると、特有な症状を示します。これがクッシング症候群です。下垂体ACTH産生腫瘍により副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)が過剰に分泌されて副腎を刺激すると、副腎コルチゾールの分泌が増加します。この場合をクッシング病といいます。
 またコルチゾール過剰は、コルチゾールを過剰に分泌する副腎の腫瘍によっても起きます。肺がんなどの腫瘍がACTHを分泌して同様の症状を示すことがまれにあります(異所性ACTH産生腫瘍)。クッシング病と副腎腫瘍によるクッシング症候群(副腎コルチゾール産生腫瘍)の症状はほとんど同じです。ただしクッシング病では、血液中ACTH濃度が高いこと(副腎性の場合は血液中ACTH濃度は低値)や下垂体に腫瘍が存在することが異なります。血液中ACTH濃度が高くなると爪、くちびるなどに色素が沈着し、色黒になることがあります。

[診断]
 特徴的な身体所見、血中のコルチゾール、ACTHがともに高いこと、尿中のコルチゾール排泄(はいせつ)が高いこと、MRI(磁気共鳴画像法)検査やCT(コンピュータ断層撮影)検査で下垂体腫瘍を確認することで確定します。

[治療]
 経蝶形骨式腺腫摘出術(鼻孔から下垂体に達して腫瘍を摘出する手術)で下垂体腫瘍を摘出するのが原則ですが、手術ができなかったり、摘出ができなかった場合にはコルチゾールの合成を抑制する薬剤や、外部から下垂体腫瘍に放射線を照射する治療がおこなわれます。
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