ACTH分泌不全〔ACTHぶんぴつふぜん〕

 副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)は、副腎に作用しておもにコルチゾールの産生を刺激するホルモンです。したがって、その不足によりコルチゾールの分泌も障害されます。ACTH分泌のみが障害される場合(ACTH単独欠損症)と、ほかの下垂体ホルモンの分泌障害を伴う場合があります。コルチゾールは糖の新生(肝臓でのグリコーゲン合成)、脂肪代謝、血圧の保持、免疫抑制作用、ストレスに対する防御作用などがあり、生命維持に不可欠です。
 コルチゾールの分泌不全はさまざまな症状を示します(参照:副腎の病気)。また、ACTHは副腎を刺激して副腎アンドロゲン(男性ホルモン作用をもつ)の分泌も促進します。ACTH不足によって副腎アンドロゲンが低下すると、わき毛や陰毛なども薄くなります。
 また、ACTHは皮膚の色素の産生を刺激する作用もあり、分泌が低下すると、乳輪など本来色素沈着した部分の色が薄くなります。血液検査では、血液中のACTH、コルチゾール濃度は低下し、尿中のコルチゾールやその代謝産物の排泄(はいせつ)量が低下します。
 ACTH分泌を刺激する試験(インスリン負荷試験など)で、ACTHやコルチゾールの分泌増加がないことによって診断します。ACTH分泌不全が確認された場合には、コルチゾールによる治療をおこないます。
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