ロタウイルス感染症〔ろたういるすかんせんしょう〕
ロタウイルス感染症は、小児のウイルス性胃腸炎でもっともポピュラーな疾患であり、生後6カ月から2歳をピークに、5歳までに世界中のほぼすべての小児がロタウイルスに感染し、胃腸炎を発症するとされています。
国内での死亡例はまれですが、世界では5歳未満の小児で約50万人の死亡があるとされ、その80%以上が開発途上国で起こっています。嘔吐(おうと)と白色からクリーム色の水溶性下痢が特徴的で、急速に脱水が進むため、入院して輸液療法をおこなうことが必要になる場合が多くみられます。
現在は経口の弱毒生ワクチン(ロタウイルスワクチン)が使用され、感染予防に役立っています。2種類のワクチンがあり、種類によって2回もしくは3回の経口接種をおこないます。生後6週から接種が可能ですが、接種後、腸重積の発症リスクがわずかに高まることが知られていることから、腸重積の発生頻度が高くなる前のなるべく早期(通常は生後8週ごろ)から接種を開始することが推奨されています。
(執筆・監修:熊本大学大学院生命科学研究部 客員教授/東京医科大学微生物学分野 兼任教授 岩田 敏)
国内での死亡例はまれですが、世界では5歳未満の小児で約50万人の死亡があるとされ、その80%以上が開発途上国で起こっています。嘔吐(おうと)と白色からクリーム色の水溶性下痢が特徴的で、急速に脱水が進むため、入院して輸液療法をおこなうことが必要になる場合が多くみられます。
現在は経口の弱毒生ワクチン(ロタウイルスワクチン)が使用され、感染予防に役立っています。2種類のワクチンがあり、種類によって2回もしくは3回の経口接種をおこないます。生後6週から接種が可能ですが、接種後、腸重積の発症リスクがわずかに高まることが知られていることから、腸重積の発生頻度が高くなる前のなるべく早期(通常は生後8週ごろ)から接種を開始することが推奨されています。
(執筆・監修:熊本大学大学院生命科学研究部 客員教授/東京医科大学微生物学分野 兼任教授 岩田 敏)